「なによ。それって恋じゃないの?」



■□紙一重□■




「・・・・・・俺の性別をわかって言ってるのか?」

低く。
限りなく可能な限り低くした声でイザークは目の前のおかしなことをほざいたナチュラルの赤い髪の女をにらみつけた。

「それくらいわかってるわよ。」

ぷうっと頬を膨らませて。
―――――しばいてやろうかと思ったのだが、やっとのことでとどまった。

(こいつは隊長のお気に入りだ・・・・・・)

たかがナチュラル。
されど隊長のお気に入り。

しばくのはまずい。
それくらいは短気なイザークとて理解していた。

彼は女だろうがなんだろうが気にしやしないのだ。
猫を被る必要があるときを別として。

「だいたい性別以前の問題だな。」
「なんでよ。」
「だいたい何故倒すと言っている相手に惚れているなどという馬鹿な話が出てくるんだ?」

倒すということは憎いということ。
ニコルを殺した。
アスランもディアッカもMIA。
それに追い込んだのはあいつだ。

だから憎い。
自分のプライドのためだけでなく。
だからこそ頭から離れない。
ストライクのパイロット。

そう言ったイザークにフレイはふんと笑ってみせる。

「愛と憎しみは紙一重なのよ。」

だってコーディネイターだからキラを憎んだのは本当。
本気で憎んで。
本気で傷つけて。
キラが絶望するように。
孤独で辛くて泣いてしまうように。
でもね、愛しく思ったのも本当なの。

「経験者が言うんだもの間違いないわ。」

あくまでも言い切るフレイにイザークはまたもや切れ掛かったのだが。

「・・・・・・・・だから違うと・・・・・・・・・」

いいかけた言葉をさえぎるようにアラートが鳴り響いた。

<足つきを発見。乗員は戦闘配備につけ。繰り返す・・・・・・>

「なにっ!足つきだと!ストライクか!!」

がばっと立ち上がってフレイなんかには見向きもせずに扉に向かう。

「ちょっと・・・・・・・・」

すでに見えなくなったおかっぱ頭の姿を思いながら呆れたようにつぶやいた。

「やっぱり恋なんじゃない。」

だってキラしか見えてないのよ?

口でなんて言ったってわかっちゃうんだから!



----------------------------

なんか仲良さげ(ありえない)
っていうかフレイがヴェサリウスにいるときはキラ死んでることになってるし・・・・・
あっはっは。(笑ってごまかしましょう!)