「アスラン?」
確かに彼の口はそう動き。
「キラ……?」
俺の目も確かに彼だと認識した。
BOY'S BEAT
ヘリオポリスを眼前に控えた宇宙空域。
中立国所有のコロニーで戦闘行為に及んだその二隻の戦艦は本来ならば目的を果たしているはずであったのに、いまだその場に佇んでいた。
「私も出撃させてください!」
ミゲル、オロール、マシューの出撃は言い渡されたものの、自分には言われなかった出撃命令を出させるためにアスランは上官に食って掛かった。
「君はMSの奪取という重要な任務をこなしてきたばかりだろう。」
艦長に言われたけれど、そんなことどうでもいい。
そんなことは関係ない。
それほど手柄を立てることに情熱があるわけでもなし。
イザークやディアッカなら抜け駆けと言われるだろう。
だがそんなことはどうでもいいのだ。
「隊長!」
「ミゲルたちの屈辱も君に劣りはしない。今回は譲りたまえ。」
ぐっと唇を噛んで黙る。
ミゲルたちが負けると思うのか?
そう言われれば答えられない。
あれに乗っているのがコーディネイターかもしれないなんて、確証のないまま言えることではない。
だいたい訓練も受けていない民間人が乗りこなせるものでもないのだ。
何より言いたくない。
巻き込みたくはない。
戦争が嫌だと言っていた泣き虫の幼馴染を。
軍人としては勝手な事だと思う。
それはただの個人の意見で、感情で。
だから報告を怠ったなんて許されることではないだろう。
けれど。
通路に出て握り締めた拳を壁に打ち付ける。
諦められるはず……ないっ!
やっと見つけたのに。
『彼』を。
3年間も音信不通な幼馴染を。
後悔しないために。
命令が出ないならば勝手に行くまでと奪取したイージスと言う名のMSに乗り込みながらするべきことを確認する。
確かめるまでもないこと。
キラがヘリオポリスにいたということ。
確かめなければならないこと。
キラが地球軍に使われていないかどうか。
あれに乗っているのかどうか。
乗っていないのならばそれでいい。
それに越したことはない。
また会えなくなってしまうかもしれないけれど、それでもいい。
探し出すから。
ヘリオポリスの避難民の情報くらい調べられる。
そうしたら会いに行けばいいのだ。
なんにしても確かめなければ……
変わらない決意にイージスを発進させた。
アニメビデオ借りてきて見たんですけど忘れてしまったので適当でごめんなさい。
小説だとこのシーンないんですもの!……見逃してやってくださいませ。