ビア


一度目の再会はへりオポリスの格納庫。
二度目の再会はすでに敵として。
MSの中で。

本当に敵になってしまったの?
キラ……

そんなことは信じない。
信じられない。

利用されているだけだ。
友達が乗っているから、守りたいからと彼は言った。
だから利用されているわけじゃないと言ったのだけれど。

それが利用されているというのだ。

優しいから。
すべてのナチュラルが敵ではないと、悪ではないと彼は思って。
戦うすべを持たない友人たちを守ろうとして。

「傷つくのはキラなのに?」

それでも優しい君は戦うの?

止めてよ。
君と戦いたくなんてないんだ。
戦争が嫌いだというならザフトに来なくてもいいから。
だから。
早くストライクから降りて……

「どうしたら君は降りてくれる?」

そのためなら多少の命令無視なんて気にしないから。
そのためならなんでもするから。


(キラ……)


太陽のように笑う君が恋しいよ。

名前の呼べない君。
それでも祈るのは止められず。

今は翳った月のように。

笑う君を知らない。